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拭き取り検査について

いつも弊社の衛生検査をご活用いただき、誠にありがとうございます。

梅雨に入り、ジメジメと蒸し暑い日が多くなってきました。
この時期は水分が豊富で気温も高く微生物などが繁殖しやすい季節となることから、
調理施設や食品工場の衛生環境を悪化させやすい時期と言えるでしょう。

特に梅雨の時期は、施設を綺麗に掃除していてもわずかに残った微生物が繁殖しやすく、また、それを目視することが出来ない為に思わぬ事故に繋がる可能性が高まります。

そこで今回は、微生物を視認化させ、客観的に衛生度合いが把握でき、施設の衛生管理に役立つ「拭き取り検査」についてご紹介させていただきます。

拭き取り検査の必要性について
微生物は食品や人の手によって調理施設や食品工場へ持ち込まれますが、人の手が触れるドアノブや冷蔵庫の取手なども微生物が増殖しやすい場所となります。
このような場所は見た目が綺麗でも微生物を目で見ることが出来ない為、もしかすると食中毒菌に汚染されているかもしれません。

拭き取り検査を行うことで、この食中毒菌などの有無を確認し製造工程でどこが汚れていたり、日常的に汚れやすい場所はどこなのかを明確に把握でき、食中毒菌の汚染防止対策を行うことが可能になります。

また、拭き取り検査は定期的に行うことにより、従業員に清掃・洗浄や手洗いの大切さを認知させ、衛生への意識を向上させることができる重要な検査となります。

検査対象
1. 食品が直接触れるもの(包丁などの調理器具、作業台、搬送コンベヤなど)
2. 人の手で触れる箇所(ドアノブ、冷蔵庫の取手、調理機器のスイッチなど)
3. 調理従事者の手指

検査項目
1. 一般生菌数
食品や作業箇所の衛生状態を確認する指標の一つです。
数値化して判定し、調理に使われる器具や手指の汚染状況を調べる基本的な項目となります。
なお食中毒菌は、一般生菌数だけでは判断することが出来ない為、他の検査項目と組み合わせて検査を行うことが望ましいと思われます。

2. 大腸菌群
糞便由来の大腸菌の他に自然界に多く存在する菌を含んだもので、検査対象物の汚染度合いを確認する指標となっています。
食品原料より大腸菌群が検出されることもありますが不潔とは限らず、加熱時間と温度を守れば影響は少ないと言われております。
しかし、加熱処理をした食品から検出された場合は製造ラインの汚染も疑われるため、検査により加熱処理後の二次汚染を確認する必要があります。

3. 黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は人の手指、耳、鼻、喉などに広く生息しています。
健康な人でも20%~30%が保菌していると言われており、黄色ブドウ球菌が食品中で増殖するときは熱、乾燥に強い「エンテロトキシン」という毒素を作り、食中毒を引き起こします。
特に手の傷や手荒れの部分に黄色ブドウ球菌が存在している可能性が高い為、従業員の手指の検査を行い、手洗いや消毒の効果を判断する必要があります。

4. サルモネラ属菌
サルモネラ属菌は鶏、豚、牛などの腸管や河川、下水などに広く生息しており、2500種類以上もの型が確認されています。
卵、鶏肉などの原料が感染源になりやすく取り扱った場合は、手指や調理器具からの二次汚染が起こらないように洗浄消毒を行いサルモネラ属菌が残存していないか確認することが重要となります。

5. 腸管出血性大腸菌O-157
O-157は食中毒などの原因となる病原性大腸菌の一種です。
腸管内で「ベロ毒素」と呼ばれる強い毒素を出し、出血性の下痢などを引き起こします。
感染力と毒素は非常に強力で過去に牛肉を生で喫食し集団食中毒が起きた事例もあり、子供や高齢の方では死者や重病者を出してしまう恐れがあります。
こちらも生肉などを取り扱った場合は手指と調理器具などの洗浄消毒を行い、二次汚染による事故が起こらないよう検査による確認が大切です。

以上が基本的な検査対象と検査項目になります。

施設の中で衛生状況が気になるところがございましたら、上記以外でもご対応させていただきますので是非ご相談ください。

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