お知らせ

浴槽水検査について

宿泊施設や公衆浴場、介護施設など温浴設備が設置されている公共施設で使われている浴槽水は身体にとって安全なものでなければなりません。そのため、利用する方々が安心して入浴できるよう施設には衛生管理を徹底することが求められています。
なお、浴槽水の衛生管理の基本となる検査頻度や検査項目については「公衆浴場における衛生等管理要領等について」(厚生労働省)において、以下のような指針が定められています。

定期検査回数 検査を行う浴槽水の種類
1年に1回以上 ろ過器を使用していない浴槽水及び毎日完全に換水している浴槽水
1年に2回以上 連日使用している浴槽水
1年に4回以上 連日使用している浴槽水で浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合

参考 厚生労働省ホームページ 公衆浴場における衛生等管理要領等について
   (https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000556115.pdf)

特に、浴槽は清掃が不十分などの理由で汚れることにより、レジオネラ属菌が増殖して感染症を引き起こしてしまう危険性があります。
このような感染症を防ぐためにも定期的な浴槽水の検査を行い、浴槽が衛生的に保たれているか、浴槽に張られている湯水に問題はないか把握し、対策を行っていく必要があります。

そこで今回は、弊社の水質検査のひとつである浴槽水セット(4項目)についてご紹介をさせていただきます。

浴槽水セット(4項目)の検査内容
浴槽水とは浴槽内の湯水のことを指します。
検査項目は「公衆浴場における衛生等管理要領等について」に基づいた以下の4項目となります。

検査項目 基準値 特徴
濁度 5度以下 水の濁りの程度を表す指標
有機物
(全有機炭素(TOC)の量)
8mg/L以下 水中内に含まれる有機物の炭素量
大腸菌群 1個/mL以下 大腸菌及び大腸菌に極めて似た性質をもつ菌の総称
レジオネラ属菌 10CFU/100mL未満 呼吸器系感染症の起因菌で自然界に存在し、アメーバなどの原生生物に寄生して増殖


上記項目が基準値より多く判定された場合、浴槽の清掃が不十分、ろ過をするための水循環装置とその配管が汚れていることなどが予測されます。
特に、レジオネラ属菌は感染すると、レジオネラ肺炎、ポンティアック熱を発症することがあります。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
レジオネラ属菌について

2004年にレジオネラ症が、感染症法上の4類感染症に指定され全数報告が義務付けられました。
診断を行った病院は最寄りの保健所に届け出を行うため、感染症例も2004年以降から増加傾向にあります。

参照 NIID国立感染症研究所ホームページ 発生動向調査年別一覧
   (https://www.niid.go.jp/niid/ja/ydata/11529-report-ja2021-20.html)
   NIID国立感染症研究所ホームページ  IDWR速報データ
   (https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html)

2023年2月には福岡県にある老舗旅館施設において、基準値の最大3700倍も超えるレジオネラ属菌が検出され大きな話題となりました。
それ以降も旅館や温浴施設でレジオネラ属菌の検出による休業のニュース報道がされており、浴槽水検査の重要性が高まっています。

最後に
今回は浴槽水セット(4項目)のご紹介をさせていただきました。

水質検査を定期的に行うことで浴槽に張られている温水が安全なのか判別するだけではなく、汚れが溜まりやすい箇所を把握したり、設備や備品に劣化が起きていないかを確認できます。
また、浴槽や設備に起きている不具合を把握すれば対策を講じることも可能となります。

ぜひお気軽にお問合せください。

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